入力フォーム改善の7つのポイント(コンバージョンアップ)

コンバージョン率を改善したい企業向けに「具体的な方法」で「実行し易く」かつ「短期に効果が見込める」部分にフォーカスした“入力フォーム改善の7つのポイント”を紹介します。

前提として「確度の高いお問い合わせしか受け付けない方針」「リソースの問題から敢えて入力項目数を増やす方針」で敢えてコンバージョンのハードルを上げている企業には当てはまらないことを予めご了承ください。

それではまず現在のフォームを診断してみましょう。

★フォーム健康診断チェックリスト20★

☐1. SSL対応されていますか?
☐2. 他のページとフォームのデザインは統一されていますか?
☐3. ユーザーの使い勝手はよいですか?(ストレスを与えない)
☐4. 第一印象で項目数が多い印象を与えませんか?
☐5. ファーストビューに全ての項目が収まっていますか?
☐6. 入力しやすい項目順に並んでいますか?
☐7. フォームの目的に関係のない企業都合の項目(アンケート)はありませんか?
☐8. 動的に項目が増えたりしませんか?
☐9. フォームの中で他の手段(電話やチャットなど)を与えていませんか?
☐10.「必須」「任意」項目が明示されていますか?
☐11. 入力形式(全角や半角英数など)をユーザーに対応させていませんか?
☐12.「郵便番号」「電話番号」の入力項目をハイフンで分けていませんか?
☐13.「戻る」ボタンでフォームに戻った場合に入力済みの情報が消えていませんか?
☐14. ボタン押下でエラーチェックしていませんか?
☐15. 次のページでエラーチェックしていませんか?
☐16. エラー表示エリア一ヶ所にまとめてエラー内容を表示していませんか?
☐17. エラーメッセージは修正方法をわかりやすく明示していますか?
☐18. メールアドレスの再入力はコピーアンドペーストを許可していませんか?
☐19. 入力例を明示していますか?
☐20. 問い合わせ後の対応方針を明示していますか?(何営業日以内にどう連絡するか、もしご連絡が届かない場合どうするかなど)

いかがでしたか?該当箇所は理由がない限り改善の検討を推奨いたします。

それでは入力フォーム改善の7つのポイントをご紹介します。

1. 第一印象で面倒と思わせるな!
2. 入力の手間をできるだけ省け!
3. 入力項目の順番を最適化せよ!
4. 入力例を入れよ!
5. 別の選択肢(チャネル)を与えるな!
6. 不安感を与えるな!
7. エラーチェックはこうせよ!

1. 第一印象で面倒と思わせるな!

ここがポイント! ”フォームの目的に関係のない情報を欲しがるな”

例えばフォームの中で次のような項目を用意していたら要注意です。

・どこで当社を知りましたか?
・お客様の立場は?
・従業員数は?
・導入予定時期は?
・ご予算は?

この質問を見てみなさんはどのような印象を得ましたか?

「回答が面倒くさい」「うちみたいな企業規模は相手にしてくれなそうだ」「私みたいな立場の人は相手にしてくれなそうだ」「予算なんて二の次だ」「なぜ今ここでそれに答えないといけないのか」「知らない/答えられない/答えたくない」「何か上から目線」などという印象を得たのではないでしょうか?

これらの項目すべてがNGということではありません。ユーザーから取得すべき情報とそうではない情報、更に取得するタイミングの整理が必要な情報があることを理解してフォームを作る必要があるのです。仮に回答してもらえたとしても、情報をビジネスにきちんと活用できているかというと疑問です。取得しても”使えない/使わない”のであればフォームから項目を削除すべきです。その後のフォローやナーチャリングシナリオの中で取得タイミングを見極めましょう。

【アドバイス】フォームの目的から取得すべき情報を整理せよ
・例えば「従業員数」などから企業規模を見分けたいと考える企業は多いです。必須項目にすべきではなく任意項目とするとほぼ回答されないものです。また回答していただいても不正確であったり同社の他の方の回答と異なったりする可能性があります。このような情報はフォームから取得すべき情報ではないものなのです。集めても使えない情報を見極めることが必要です。必要な場合は外部から購入して補完することなどを検討しましょう。

【アドバイス】フォームの種類を意識して情報を取得するタイミングを整理せよ
「お問い合わせ」「見積依頼」のような購買に近いマインドのフォームにアンケート項目を入れるのはなるべく避けるべきです。まずはコンバージョンしていただき次のステップに繋げることに専念すべきです。その後にインサイドセールスや営業が直接ヒアリングできるチャンスをシナリオに盛り込みましょう。「資料請求」「トライアル申込」など、アンケート情報と引き換えに有益情報やサービスを提供するフォームであればユーザーもアンケート入力してくれる可能性が高まります。ただし提供するサービスがいただく情報よりも価値のないものであれば、それ以降のコミュニケーションは期待できなくなる点には注意しましょう。

2. 入力の手間をできるだけ省け!

ここがポイント! ”システムで補える部分はシステムで解決せよ”

ご存知の通り“入力項目が少ないとコンバージョン率が上がり逆に入力項目数が多いとコンバージョン率が下がる”という事実はグローバルでも共通です。つまり、入力項目の数とコンバージョン率は反比例の関係にあります。

ここではフォーム項目を作成する時によくやってしまうあやまちを例にお客様の手間を軽減すべきポイントを紹介します。

例えば「郵便番号」や「電話番号」の入力項目を次のようにハイフンで分けていませんか?このインターフェイスの悪いところは2つあります。1つ目は、入力項目が多く見えるという第一印象の問題。2つ目は、“ユーザーのアクションを増やしてしまう問題です。”本来なら1項目で済むところを複数項目に増やすことで、Tabキーやカーソルでいちいち項目を切り替えるというユーザーアクションを増やし負荷をかけています。

ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか?

このようなフォームのインターフェイスをとっている企業は、使っているデータベースの項目がそのように分かれている可能性があります。これは正にユーザー視点ではない“企業都合がそのまま表に現れた結果”と言っても過言ではありません。

他の例では、入力する文字形式を指定させるものがあります。「半角英数で入力してください」「全角で入力してください」という指示をよくみかけます。これらはユーザーに文字形式を変換させるタスクを与えています。本来あるべき姿は“ユーザーに文字形式を意識させずにシステムでできることはシステムで解決すること”です。

【アドバイス】項目を分割するか否かをよく検討せよ
・例えば「姓」や「名」はシステムで分割することが難しいため始めから分けて管理すべき項目です。

【アドバイス】自動入力できるものは自動補完せよ
・フォーム来訪の直前ページで問い合わせしたい製品やサービスを特定できる場合、その情報をフォームに自動表示すると便利です。製品やサービス名を予めフォームに表示してあげることで、ユーザーが目的を果たし易くなります。また製品やサービス情報を表示するだけでなくモーダル画面などで追加・変更ができれば尚よいです。

【アドバイス】タブ切り替えを自動アシストせよ
・どうしても項目を分けないといけない場合でかつ桁数が決まっていれば、例えば「郵便番号」などは最初の3桁を入力したら自動で次の4桁項目に移動するようにするとよいでしょう。

【アドバイス】法人向けフォームはST&E(スタンディ)を検討せよ
・ST&Eは「会社名」を入れるだけで候補をサジェストし法人住所などの情報を自動で埋めてくれます。詳細はこちら

3. 入力順を最適化せよ!

ここがポイント! ”ユーザーの来訪目的を先に入力させよ”

目的を持ってフォームに来訪したユーザーの頭の中には問い合わせしたい内容があるはずです。まずはそれを入力してもらうことで先にユーザーの目的を果たさせることが大切です。

フォームの先頭項目がユーザーの目的と関係のない項目の場合、例えば「当社をどこで知りましたか?」「会社名」などではそれを入力している間に目的が薄れたり忘れたりして離脱に繋がる可能性が高くなります。

【アドバイス】簡単な項目から入力させよ
・例.「お問い合わせ内容」「姓」「名」「メールアドレス」法人向けであれば「会社名」「電話番号」「郵便番号」「都道府県」「市区町村」「番地(ビル・マンションなど)」(推奨順)

4. 入力例を入れよ!

ここがポイント! ”placeholder(入力例)を明示せよ”

HTMLで入力欄に”placeholder”を指定すると薄い文字色で入力例を入れることができます。例えば、住所や問い合わせ内容の書き方などを例示できます。ユーザーにとって書き方がわかることはとても助かることなのでコンバージョンのアシストに繋がります。

【アドバイス】入力方法を明示せよ
・placeholderの仕様上、入力を始めると消えてしまうため万能とは言えません。それでは困ると判断した場合、入力欄の近くに書き方を明示することで補いましょう。

5. 別の選択肢(チャネル)を与えるな!

ここがポイント! ”他のチャネル(電話やチャットなど)への導線は排除せよ”

問い合わせをフォームから行おうとしたユーザーマインドに対し、「電話番号」を見せたり「チャット」が自動で立ち上がったりすると「そちらの方が簡単かも?」と気移りさせてしまいます。電話やチャットは確かに便利です。しかしながら、チャネルが違うと対応する部門が違ったり、フォームであれば後々資産となり得る情報を取得できたはずの機械損失に繋がり兼ねません。後でビジネスに情報を活用したいという時に電話だからチャットだから取得できていないなんてことにもなり得るのです。

【アドバイス】他の手段はフォーム来訪前に訴求せよ
・フォームにはリンクを極力減らすことが重要です。一度クリックしてフォームを離れると戻ってくる可能性は限りなくゼロに近くなります。また、フォームから他のページ離れたり、確認画面から「戻る」ボタンなどでフォームに戻ると先に入力した内容が消えているなんてこともあり得ます。離脱に繋がる要素は極力排除しましょう。

6. 不安感を与えるな!

ここがポイント! ”他のページと大きく異ならないデザインにせよ”

外部のEFO(エントリーフォーム最適化)ツールやマーケティングオートメーションツールでフォームを生成する場合、デザインがベンダー提供のものになってしまうことがあります。これをそのまま使うと突然外部サイトに飛ばされた印象を与えかねません。ドメインも然りです。自社ドメインで自社の他のページと大きな差が出ないデザインを心がけましょう。

【アドバイス】動的なフォームはここに気を付けよ
・先頭で「個人/法人」を切り替えるレベルであればよいですが、選択した内容によって次の表示項目が次々増えたり変わったりするものがあります。このような手段は極力使わないことを推奨します。なぜなら、終わりが見えないからです。「あと何項目入力が必要です」と表示するインターフェイスはユーザーに安心感を与えコンバージョンに導く手段としてよいでしょう。

【アドバイス】セキュアな環境であることを伝えよ
・フォームだけでなくWebサイトの”常時SSL化”は常識となっているため割愛します。未だにフォームのSSL対応をしていない企業は、当ブログにさえ来ないと思いますが早急な対応が必要です。また、個人情報保護に関するパーミッションも取得するようにしましょう。

【アドバイス】フォームの種類によって確認画面を用意せよ
・フォームに確認画面を用意するか否かはフォームの種類によって決めましょう。資料請求や資料ダウンロードレベルのフォームであれば確認画面は不要です。「申請や申込」「郵送が発生するもの」「トライアル」「その場で購入」などきちんと最後に内容を確認して欲しいフォームには確認画面を用意しましょう。逆に確認画面なしでいきなり購入ではユーザーに不安感を与えます。

7. エラーチェックはこうせよ!

ここがポイント! ”入力の度にチェックせよ”

ベストなエラーチェックは入力が終わったタイミングでその項目単位に行うことです。項目のそばにOK/NGを表示するだけでなく色でわかりやすくすることです。NGの場合、何がエラーなのか、どう直したらよいのか、分かりやすいメッセージを表示してあげましょう。全て入力した後にボタンを押下でフォームがエラーで真っ赤になると一気に離脱マインドが高まります。

ではここでやってはいけないコンバージョンが下がるエラー処理を紹介します。

コンバージョンが下がる5つのエラー処理
  1. 次の画面でエラーチェック
  2. ボタン押下でエラーチェック
  3. 一ヶ所にまとめてエラー表示
  4. モーダル画面でエラー表示
  5. わかり辛いエラーメッセージ

1. 次の画面でエラーチェックは、画面の行き来が発生します。直したつもりでも直ってなかったりすると離脱に繋がります。
2. ボタン押下でエラーチェックは、ユーザーにとってきちんと入力したつもりでも最後に沢山エラーを見せられ興ざめします。また入力した部分を思い返さないといけない面倒くささもあります。
3. 一ヶ所にまとめてエラー表示は、されると項目と目の検査のようになります。複数エラーがあるとどの項目がエラーなのか、またスクロールが発生することもありとても面倒です。
4. モーダル画面でエラー表示は、閉じてしまうと最悪です。修正ハードルが高く離脱する方を推奨します。
5. わかり辛いエラーメッセージは、例えば「入力が正しくありません」ではどう直してよいかわかりません。

【アドバイス】「確認用メールアドレス」はここに気を付けよ
・「確認用メールアドレス」という項目を用意している場合、はじめに入力したものをコピー&ペーストできるインターフェイスでは全く意味がありません。それは単に無意味な項目を増やしているだけです。また、再入力させているにも関わらずチェックを怠っているフォームも見受けられます。これではお客様に負荷をかけるだけで全く意味のないインターフェイスなのでもちろんNGです。

“入力フォーム改善の7つのポイント”をご紹介しました。簡単に取り組めるものは即対応することを推奨いたします。

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