All roads leads to ABM(すべての道はABMに通ず)

ビジネスの根幹に「顧客の成功」、「顧客が成し遂げようとしている目的を果たすための支援をすること」があります。昨今では、カスタマーサクセスともいわれますが、ABM(Account Based Marketing)の広義の意味もそこにあります。特にABMは、「ICP(Ideal Customer Profile)」=理想的な顧客像 を定義し、それに該当する顧客の成功を支援することで、中長期的な関係を築き、最終的にLTV(Life Time Value)の最大化に繋げるという考えがあります。また、ICPに該当する新規を獲得して同じような関係を構築していくという目的もあります。

すべての顧客に対し同じサービスレベルで支援ができることが本当のゴールであったとしても、顧客数が増えれば難しくなってくるものです。「自社のビジネスにとって理想的な顧客像とは何か。」そして、ロイヤルカスタマーをどのように作り増やし守っていくのか。ビジネスにおいて最も重要でセンシティブなところではないでしょうか。

「顧客の成功」を前提に、限られた「予算、リソース、時間」の中で、ROIを最大化していく必要があります。広告一つにしても無駄打ちするのではなく、きちんとICPに届ける必要があるのです。イベントの案内、名刺の獲得、架電やメールなどその後のコミュニケーションにおいても本当に関係のない層とのやり取りは、「予算、リソース、時間」の無駄遣いでしかありません。これを最適化していくのがABMです。既にみなさんが行っている分析やSTP(Segmentation, Targeting, Positioning)に基づくマーケティング活動の中で、ABMの一部を実行しているはずです。効果を最大化するためにあらゆる手段を使っているはずです。

つまり、あらゆる戦略、マーケティング手法を使っても効果が現れなかったが、戦略にABMを組み込むことで効果を出していく流れが米国にはあります。本国においても、遠回りをしたけれど結局ここに行き着いたとなると思います。

それでは、米国のABM事情をご紹介します。

米国のABM状況

米国過去5年のGoogle Trendsで「Account Based Marketing」を調べた結果

 

ITSMAが発表した米国のABM取り組み状況(2018)

ABMに取り組む5つの理由

1. ROIの最大化

“84% of marketing organizations have had higher ROI with ABM than traditional tactics.” -ITSMA
ITSMAによると、マーケティング組織の84%が従来の戦略よりもABMで高いROIを得ています。(意訳:B-Story, Inc)

2. 機会損失の削減

“On average, more than five people sign off on each B2B purchase, according to Gartner, and that figure rises to seven people for companies with 100-500 employees.”
Gartnerによると、B2Bの購買には、平均して5人以上が関わり、その人数は、従業員が100-500人規模の会社では、7人に上っている。(意訳:B-Story, Inc)

B to Bの購買プロセスには複数人が登場するのが当たり前です。イベントに申し込む人、来場する人、Webを閲覧する人、お試し評価する人、稟議を書く人、商談テーブルに出てくる人、決裁者などそれぞれの役割のもと会社に接してきます。MAツールなどで一人を追跡しても何もわからなく、機会損失に繋がっているケースが十分にありえます。アカウントや部門などの単位で、かつ一定期間における接触の頻度がビジネスにおいて重要なトリガーになります。この傾向は、米国だけでなく日本でも同じです。B to Bという企業間取引は、その名のとおり会社間の関係をきちんと管理する必要があります。

3. 論理的なビジネス改革

勘や属人的にビジネスを展開している企業は、市場の技術スピード、人口・労働者の減少などもあり今後厳しくなってくるでしょう。また、一時流行ったビックデータという「データさえ集めておけばそのうち何かに使えるだろう」という考えも古く、自社ビジネスに必要なデータを定義して、それをどこから取得して、どのように蓄積するか、そしてメンテナンスしていくか、というデータマネジメントが重要になっています。

B to Bにおいて、例えば、「個人メールアドレスは百害あって一利なし」と言っても過言ではありません。そもそもフリーメールアドレスでフォームに会社情報を登録したとしても、その人が本当にその会社の社員であるのかわかりません。また、同じ人が時間を経て会社のメールアドレスでフォームを通過した場合、同じ人物で2つリードが存在することになります。つまり、いつかは不要となるデータと言えます。メールアドレスは一つの例に過ぎませんが、不確かなデータでは、分析や戦略が間違った方向に舵を切る可能性があり、また自ずと結果にも影響してきます。データマネジメントに取り組むことで、論理的な戦略、ビジネス改革ができるようになるでしょう。そして、社内で共通のデータを然るべき人が活用できるようになり、その結果、カスタマーサクセスにも繋がるでしょう。

4. 意識・仕組改革

ABMは、営業とマーケだけでなく、情シス、製品、CSなども含む会社全体の取り組みである認識が必要です。なぜかというと、「顧客はどこをみているか」というのが解となるでしょう。CSであろうか、営業担当であろうか、マーケであろうか、製品やスペックであろうか、顧客の視点は点ではなく面、”会社”としてみています。社員の意識として、ICPを理解し、その顧客に対し会社としてどうあるべきか、その姿を描き、仕組み化していくことが必要です。つまづいた時は、そのICPの定義、そして会社としてどうあるべきかに戻ることで、会社としての方向性を見失わずに進むことができるようになります。

5. 将来の糧

ICP「理想的な顧客像」に該当する顧客こそがロイヤルカスタマーになっていきます。「目先の売上は営業が作りますが、将来の売上は誰が作るのか?」ABMの取り組みは、単なるアカウントレベルのマーケティングと営業、関連部門における戦略ではありません。会社間の継続的な関係をより一層深くし、会社全体で将来の糧を築いていく活動なのです。

会社/製品

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